新卒でデータサイエンティストになるためにはどうしたらいいでしょうか。
あなたのデータサイエンス力によって就活の戦略がかなり変わってくるので、あなたに合った戦略を見つけ出しましょう!
最近、ありがたいことにデータサイエンティストを志望する学生から相談を受けることが多くなってきました。
相談してくれる学生は
- これからデータサイエンスを学ぼうと思っている学生
- 大学で軽くデータサイエンスを学び興味を持った学生
- すでにデータサイエンスを専攻している学生
などバックグラウンドは様々でした。
この学生達にアドバイスしたことを体系的にまとめ、今回はそれぞれのレベルに合わせて取るべき就活戦略についてお話しします。
- データサイエンティストとして2社内定を獲得した実績を持つ
- データサイエンス専攻であり修士号を保有
- データ分析企業で1年間の実務経験あり
新卒がデータサイエンティストになるための3つの入り口
それぞれのレベルの話をする前に、まず新卒がデータサイエンティストになるための3つの入り口について紹介します。
- データサイエンティストの職種採用
- 総合職採用で入社し、データサイエンティストのポジションを狙う
- データ分析企業で長期インターンをして、そのまま社員の採用を狙う
データサイエンティストの職種採用
一番分かりやすいデータサイエンティストとしての入り口ですね。
この採用の良いところは、確実にデータサイエンティストになれる点です。
一方で、この採用方法は競争率が高く、高い実力を求められるため採用ハードルが高いです。
僕が職種採用で内定をいただいた企業の内定者懇親会では、旧帝大理系院卒が大多数という精鋭が揃っている状況でした。
ただ、この内定者の中には物理科や宇宙工学などを専攻するの人もおり、必ずしもデータサイエンスを専攻している人のみではありませんでした。
こういった人たちは専攻や学歴、成果から数学や論理的思考力が強いことを評価され、データサイエンティストへの適性を買われて採用されているのだと思います。
数学や論理的思考力が強いことを何かしらで証明できるなら、データサイエンスのスキルをまだ身につけていないくても採用される可能性はあるでしょう。
もし数学や論理的思考力に自信がない、証明できるものがなければ、無難にデータサイエンスのスキルを学んだり資格などを取り職種採用を狙った方が良いと思います!
総合職採用で入社し、データサイエンティストのポジションを狙う
データサイエンティストは新しい職業なため、まだ職種採用している企業は限られてきます。
現在データサイエンティストを職種採用している企業は変化に寛容な一流企業で、すでに優秀なデータサイエンティストをすでに抱えていることでしょう。
ですが、例えばSIerやコンサルといった企業は一括採用し、その後各自好きなキャリアを歩んでいくような形態を設けている所が多いです。入社後目指すキャリアの一つにデータサイエンティストがある場合があります。
一括採用の場合、基本ポテンシャル採用になるためデータサイエンススキルは問われません。
そのため、内定が出た後必死に勉強し、データサイエンティストになりたいというアピールを入社後することで部署移動ができる可能性はかなり高いです。
僕の友人は、大学4年からデータサイエンスに興味を持って勉強を始め、G検定を取得し、就職ではコンサルに行きました。
その後、データ分析の部署に行きたいとアピールしていたらその部署に配属になり、楽しく仕事をしているようです。
ただ、データサイエンティストのキャリアを目指せる企業を探すことが大変かと思います。しっかりと社員への質問やOB訪問、ネットでのリサーチを入念に行い就職する必要があります。
入社したけど、全然データサイエンティストになれない!
なんてことにならないように注意しましょう。
特に大学3年後半や4年生の方はデータサイエンスのスキル身につける時間はないため、データサイエンティストとしてのキャリアを歩める可能性のある企業を目指すのが妥当かと思います。
データ分析企業の長期インターンを通して採用を狙う
データサイエンティストの業務は、みなさんが思うより華々しい業務ばかりではありません。
データを整形・結合など地味な作業が多く、これらは代替しやすい作業なのでPythonをある程度かける学生にお願いしたいと考えるデータ分析企業は少なくありません。
そのような初学者でも採用してくれる企業で長期インターンをし、データサイエンス力を伸ばせば新卒で採用してくれる可能性も高くなります。企業としてもインターン生が新卒として入社すれば、採用や研修コストも浮くため採用したいはずです。
また、データサイエンスを専攻している学生でも長期インターンで実務を経験している人は少ないです。
データサイエンスの理論では勝てなくても実務経験で勝てれば職種採用も目指せるかと思います。
大学3年生以下であればまだ就職まで時間があるので、実務も学べ、あわよくば職種採用も狙えるのでこのような採用を狙ってみるのも良いでしょう。
昔僕のインターン先に入ってきた大学3年文系未経験の子も、数ヶ月経った後は十分業務で通用するくらいにはデータサイエンス力をつけていました!
データサイエンス力のレベル分け
独断と偏見で、ある程度データサイエンス力のレベル分けをしてみました。
ここでいうデータサイエンス力は、統計学・機械学習などの数理面、PythonやRなどのプログラミング面の2つのみで決定しています。
データサイエンスレベル | 数理レベル(統計学・機械学習) | プログラミングレベル(Python or R) |
---|---|---|
レベル4以上 | DSを専攻する大学院生レベル、学術研究ができる | 調べなくともほとんど分析・実装可能、Kaggleでメダルが取れる |
レベル3 | 検定・推定、機械学習モデルの数理的な理解ができる(統計検定準1級程度) | Kaggleに参加できる |
レベル2 | 資格を取れる(統計検定2級、E,G検定程度) | ググるのOKならそこそこ分析・実装ができる |
レベル1 | 大学の授業や技術本で軽く学んだ | 大学の授業や技術本で軽く学んだ |
レベル0 | 未学習(これから学ぶ) | 未学習(これから学ぶ) |
データサイエンティストには数理面、プログラミング面どちらも重要ですので、どちらかのみ秀でてる人は、真ん中くらいのレベルだと思ってください。(例:数理レベル3、プログラミングレベル0→DSレベル1.5)
【レベル別】データサイエンティスト就活戦略
3つの戦略、レベル分けの紹介を行ってきました。
次はデータサイエンスレベル別に具体的にどのような戦略を取るべきなのか解説していきます。
レベルの高い順に解説していきます!
データサイエンスレベル4以上
このレベルでデータサイエンティストを目指すならば、どの企業でも内定をもらえる可能性はあります。
なので、考えるべきはどのようなデータサイエンティストを目指すのかだと思います。
- データサイエンティストのスペシャリストを目指すなら「職種採用」
- データサイエンスを武器とするジェネラリストを目指すなら「総合職採用」
ちなみに僕は職種採用の企業でも内定をもらいましたが、最終的に総合技術職採用のSIerに就職しました!
僕はシステム開発にも興味があるため、SEとして新卒は就職しました。どのようにシステムを作り、データの取得するのかといったデータの作られ方も今後データサイエンティストとして知ることが必要だと感じたからです。
データサイエンスを軸に据え、スペシャリストになりたいのかジェネラリストになりたいのかという観点で就活を進めていくと思います。
データサイエンスレベル3
職種採用も狙えるかと思いますが、トップレベルのデータ分析専門企業の職種採用は難しいかもしれません。
個人的に狙い目は「大手事業会社のデータサイエンティスト採用枠」だと思います。
データ分析専門企業は基本的に規模も小さく人材を育てるコストが多くはないため、即戦力になりうる実力を持つ人を採用したがる傾向にあります。
一方で、大手の場合人材を丁寧に育てる余力があるためポテンシャルで採用してくれる可能性があり、必要とされるデータサイエンス力のハードルが下がると考えられます。
職種採用でも狙う企業によって難易度が変わるので、よく企業を研究し「この企業は〇〇だからデータサイエンティストの採用ハードルが低そう」というような仮説を持ってエントリーすると良いと思います。
総合職採用経由ではデータサイエンティストになれる可能性は高いと思います。
職種採用、総合職採用どちらも視野に入れて就活を進めると良いでしょう!
データサイエンスレベル2
多少データサイエンスをかじれば辿り着けるレベルなので、職種採用してもらうのは難しいかもしれません。
資格を持っているかどうかが鍵になってくるかと思います。
なので、職種採用を狙うより総合職採用されたのち、社内でDSとしてのキャリアを目指す方が無難です。
それでも職種採用で入りたい場合は、採用確率を上げるためにより高度な資格を取るといいでしょう。
もし受けるなら統計検定準1級がおすすめです!
CBT方式に変わったばかりなので、従来の準1級の価値はあるものの受かりやすいので取得するなら今が狙い目です!(2022年3月現在)
データサイエンスレベル1
厳しい言い方をすると、これらの人は職種採用は無理かと思います。
有名な科学者カール・ピアソンの「統計学は科学の文法である」という言葉があるように、理系(一部文系も含む)ではほとんどの学科で統計学を学ぶ機会があります。
つまり、データサイエンスに軽く触れている人は大勢おり、このレベルではデータサイエンスが得意とは言えないため職種採用は難しいです。
しかし、データサイエンスに興味を持ち、学ぼうという姿勢に遅いということはないです!
大学3年後半もしくは4年生なら総合職採用を狙い社内でデータサイエンティストとしてのキャリアを目指しましょう。
内定をもらったらすぐにデータサイエンスの勉強を始め、卒業までに資格取得や研究成果を残し就職後アピールすればデータサイエンス関連の仕事に携われるチャンスはきっと回ってくるはずです。
上の「新卒がデータサイエンティストになるための3つの入り口」で僕の友人の話をしましたが、彼も大学4年の始めはこのレベルくらいだったと思いますが、今はデータ分析の仕事をしています。
また、彼は初学者ながらデータ分析企業で長期インターンをして実務経験を積み、その企業からスカウトされるくらいには成長していました。この経験も部署移動できた要因の一つだと考えられます。
初学者でも長期インターンできれば飛躍的な成長が期待できますし、その企業でのデータサイエンティストとしての採用も狙えます。
個人的おすすめプランは、
- 大学3年後半もしくは4年生なら「就活・内定→長期インターン開始→資格取得→就職→データサイエンティストとして社内でアピール」の流れ
- 大学3年初期もしくはそれ以下の学年なら、長期インターンや資格取得し、大学3年後半までにデータサイエンスレベル3まで引き上げ、レベル3としての就活をする
が良いかと思います。
データサイエンスレベル0
まずは就活のことは考えず、勉強を始めてみて自分がデータサイエンスを勉強していて楽しいと思えるか考えてみましょう!
楽しいと思えれば簡単にレベル1には到達すると思います。
レベル0と1の大きな違いはデータサイエンスに適性があるか、学び続けれる可能性があるかどうかで、知識の差はすぐに埋まるので気にしなくても結構です。
以下の記事では、データサイエンティストへのなり方と勉強方法について解説しているので、良かったらご覧ください。
最も効率の良いデータサイエンティストへのなり方について紹介しているので、初学者必見です!!
お金をかけたくなければ、教育系Youtuberのヨビノリたくみさんの確率・統計の動画もわかりやすいです!
就活が迫っている大学生の方は、データサイエンティストのキャリアにも進める総合職採用で内定をもらっておき、その後勉強を始めるのでも良いかと思います。
上記のデータサイエンスレベル1の就活戦略も参考になると思うのでそちらも読んでみてください。
まとめ:実力に合わせた就活戦略を
データサイエンティストになりたいと思った時にまず思いつくのは職種採用ですが、職業が決まっている分競争が激化しやすいです。
そのため、総合職として内定をもらいその間知識と経験を積み、社内でデータサイエンティストになりたいことをアピールすることが遠回りに見えて近道だったりします。「急がば回れ」です。
ちなみに元々僕が長期インターンしていた会社は絶賛インターン生募集中なので、興味があればお問合せフォームからご連絡していただければご紹介します!
すでに一人前のデータサイエンティストの学生も、これから学び始める学生も自分にあった戦略を見出し、一人でも多くデータサイエンティストになってくれる人が増えてくれればと思います。
まだまだデータサイエンティストは需要があります!
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